飯田歯科ブログ

2013年7月 1日 月曜日

歯周病治療⑥ 根分岐部病変について

6時限目は根分岐部病変についてです。

奥歯のエックス線写真を撮影した時、根っこの股の部分(根分岐部)に他の所と比べると黒く濃く映る像(透過像)が見られることがあります。根分岐部に黒い透過像があると、歯周炎による根分岐部病変と考えがちですが、ここでは根分岐部病変と間違えやすい病変および根分岐部の特徴について勉強していきます。

まず、根分岐に黒い透過像が出来る原因として考えらる病変は
① 歯内病変
② 咬合性外傷
③ 歯周炎
があげられます。
①と②は適切な治療により改善し、エックス写真上の透過像は消失します。
③は治療が難しいことが多く、その歯の寿命を左右することもあります。
それぞれしく詳しく見ていきましょう

① は歯の神経の中の上部の感染が神経の管を通って、根分岐部に病巣を作り、これがエックス写真上で黒い透過像を示します。治療法としては、感染根管治療により根管内の感染が無くなると、根分岐部の透過像は消失します。

② は噛み合わせによって、根分岐部に強い力がかかると黒い透過像が出現します。この治療法としては咬合調整やナイトガードの装着により透過像は消失します。

③ の歯周炎による根分岐部病変は根分岐部入口から進行するアタッチメントロスが原因です。水平的なアタッチメントロスが3ミリ未満の初期の根分岐部病変であれば、歯肉縁上のプラークコントロールとSRPで炎症を消退し、歯肉を引き締めることができます。しかし、根分岐部入口からもう少し奥まで病変が進むと、分岐部の骨が吸収し根分岐部病変の円蓋部(アーチ部)にプラークが残りやすくなります。そうして根分岐部病変が進行すると水平的方向だけでなく、根分岐内部で根尖方向へも、骨吸収が進行し、歯が揺れてきて、失うこともあります。

 この治療法としては、水平的なアタッチメントロスが3ミリ以上進行した場合や歯の根っこが反対側まで貫通した場合では、天井部分を歯間ブラシで清掃できるようにトンネル状にしたり、天井部分そのものが無い状態にする、歯根分割などの方法があります。
 逆に再生治療では、側面から天井部分までのアタッチメントを再生して、もとに戻すのが目的になります。
 根分岐部病変は縁上プラークコントロールが低下した場合には確実に再発し、さらに少しでも内部に進行すると、大掛かりな治療が必要になったり、歯を失ったりすることが多いのが根分岐部病変のある歯の大きな特徴です。

 以上のことから根分岐部病変は私たち歯科衛生士だけの力だけでは進行を止めることは難しいです。予防コーナーに来院された時に、歯ブラシのほかに歯間ブラシやタフトを指導された方もたくさんいらっしゃると思いますが、歯の寿命を延ばすためには、とても大きな役割をはたします。今後、使い方やサイズなどわからないことがあれば、いつでも歯科医師や、私たち歯科衛生士にお尋ねください。一緒に大切な歯を守っていきましょう。

デンタルハイジーン別冊 「歯周治療レッスンブック」より一部引用

大阪府堺市飯田歯科 歯科衛生士チーム

投稿者 飯田歯科